海外ミニマリストという生き方【所持金10ドルが教えた必然の身軽さ】

「モノを手放すのは、怖いことでしょうか。」

2018年、オーストラリアで所持金が10ドルになったとき、私は選ぶ余地なくモノを手放しました。食べるものを選ぶ余裕すらなく、パスタと少しの野菜だけで生き延びる日々。物への執着が、ふっと消えていく感覚を覚えました。本記事では、「なるしかなかったミニマリスト」という視点から、極限状態で見えた必要なものについて解説します。

帰国後も続いている価値観の変化、海外のミニマリストとの共通点・違いも書きました。ミニマリストのライフスタイルに関心がある人や、モノへの執着に悩む人は、ぜひ最後までご覧ください。

※本記事は私個人の2018年当時の体験と価値観に基づく内容です。

目次

なぜワーホリ経験者がミニマリストを語れるのか

一般的なミニマリストのイメージと、私の経験は少し違います。違いについて、下記の3点からお話しします。

  • なるしかなかった、ミニマリスト
  • 「貧乏なだけでは?」という疑問
  • モノへの執着が消えた瞬間

なるしかなかった、ミニマリスト

世の中で語られるミニマリストの多くは、「豊かな選択肢の中から、あえてモノを減らす」という生き方です。海外のミニマリストの発信を見ていても、「生活の質を上げるための取捨選択」という文脈で語られることがほとんどでした。一方、私の場合は違います。

2018年、メルボルンで所持金が10ドルになったとき、選ぶ余地なくモノを手放していました。食べるものを選ぶ余裕すらなく、パスタと少しの野菜だけで生き延びる日々。「あえて減らす」のではなく、「減らさざるを得なかった」というのが正直なところです。

「貧乏なだけでは?」という疑問

「ミニマリストではなく、単なる貧乏では?」と思う人もいるはずです。正直に言うと、指摘は間違っていません。当時の私は、選択の余地がない中でモノを手放していただけで、思想としてのミニマリズムを実践していたわけではありません。ただ、貧困の期間が終わった後も、モノへの向き合い方だけはもとに戻りませんでした。

お金に余裕ができた今も、「あれもこれも」と物を増やす感覚が戻ってこないのです。極限状態が単なる貧困で終わらず、価値観にまで影響を残したのです。

モノへの執着が消えた瞬間

銀行残高が10ドルになったとき、不思議と物欲がすっと消えていく感覚がありました。当時の私が「もう気にならなくなった」と感じたことを、いくつか挙げます。

  • 新しい服がほしいという気持ち
  • 部屋に何かを飾りたいという欲求
  • 物を取っておく習慣
  • 誰かの持ち物への羨ましさ

生きるか死ぬかという感覚に近い状態では、物への欲求は驚くほど簡単に消えていきました。所持金10ドルまで追い詰められた詳しい記録については、下記の記事で解説しています。

メルボルンで所持金10ドルにまで追い詰められた1か月サバイバル記録


極限状態で見えた「本当に必要なもの」

所持金が底をつく中で、モノに対する判断基準が変わった点について、下記の2点を解説します。

  • 週50ドル生活で手元に残っていたモノ
  • モノを手放す判断基準【表】

週50ドル生活で手元に残っていたモノ

週50ドルで生活していた2週間、私の持ち物はスーツケース1つに収まる量まで減っていました。渡航時に持ってきていた大量の衣類のほとんどは、結局捨ててしまいました。実際に毎日使っていたのは、数着の服と最低限の生活用品だけです。「念のため」と思って持ってきたものほど、極限状態では真っ先に存在を忘れていました。

所持金10ドルまで追い込まれた生活の詳細については、下記の記事で詳しく解説しています。

メルボルンで週50ドルで生活する方法【所持金10ドルから生還した実録】

モノを手放す判断基準【表】

当時、無意識に使っていた判断基準を振り返ると、下記の3つに整理できます。

判断基準気づいたこと
すぐ買い直せるか「いつか必要になるかも」という不安の大部分は、実際には起こらなかった
使用頻度週1回も使わないものは、なくても生活が成立した
精神的な依存度「なくても平気」と気づけたものほど、実は安心のためだけに持っていたものだった

上記の3つの基準は、モノを減らすためというより、極限状態で自然と体が選んでいたものです。後から振り返って、初めて言語化できました。


帰国後も続いている価値観の変化

日本に帰国して6年以上経ちますが、ワーホリで培った経験は今の生活にも影響を残しています。下記の2点からお話しします。

  • モノを増やさなくなった理由
  • 「なくても平気」が教えてくれた自由

モノを増やさなくなった理由

帰国後、経済的な余裕は取り戻しましたが、モノを増やす感覚だけは戻りませんでした。今、私のクローゼットにある服は、冬物を含めても5着ほどです。「足りるのか」と聞かれることもありますが、実際に服を増やそうと思ったことがありません。最近の大きな買い物といえば、AIボイスレコーダーのPlaudくらいです。

基本的に買い物自体をしなくなり、物欲が減ったことは自分でもはっきり感じています。わかりやすい変化は、ゲームです。ワーホリに行く前は、ゲームソフトをよく買うほど好きでした。しかし帰国後は、ソフトどころかハード自体を買っていません。今はパソコン1台でブログを書いているだけで、十分満足感があります。

所持金10ドルの経験を境に、「モノを増やして満たされる」という感覚そのものが、自分の中から薄れました。

「なくても平気」が教えてくれた自由

モノが少ないと、身軽に動けるという実感があります。引っ越しのハードルが下がり、環境を変えることへの抵抗感も薄れました。所持金10ドルの経験を通じて、「なくても案外平気」という感覚を体で覚えたことが、今の身軽さにつながっています。物が減ることのメリットは、下記のとおりです。

  • 引っ越しの荷物が少なく済む
  • 新しい環境への抵抗感が薄い
  • 失うことへの恐怖が小さくなる

物を持たないことは、単なる節約や整理整頓の話ではなく、環境を変える勇気にもつながります。物へのとらえ方の変化も、ワーホリを通じて得た財産だと感じました。


海外のミニマリストとの共通点・違い

海外で発信されているミニマリストの考え方と、私の経験には共通点も違いもあります。下記の2点で整理します。

  • 選択と必然のミニマリズム
  • 日本のミニマリストブームとの温度差

選択と必然のミニマリズム

海外のミニマリストの多くは、「自由を手に入れるためのライフスタイル」としてのミニマリズムです。物質的な豊かさよりも、人間関係や経験を大切にするという価値観です。価値観の大部分は、私が所持金10ドルの経験から得た感覚と重なります。

一方で、海外のミニマリストの多くは「選んで」たどり着いています。私の場合は選択の余地なく、金銭面で追い込まれた結果です。出発点は違っても、たどり着いた先の価値観は近いというのが、私の実感です。

種類きっかけ共通する価値観
選択のミニマリズム生活の質を上げたいという意思モノより経験・人間関係を重視
必然のミニマリズム極限状態で選択の余地がなかったモノより経験・人間関係を重視

日本のミニマリストブームとの温度差

日本のミニマリストの文脈では、「モノを減らすこと自体」が目的化しているように見える場面もあります。一方、海外の発信を見ていると、モノを減らすことは手段で語られます。目的は「生活の質を上げること」や「自由になること」に置かれている印象を受けました。私自身は、モノを減らすことを目指したことはありません。

結果として物欲が薄れただけで、「ミニマリストを目指す」という発想自体がなかったというのが実情です。感覚の違いは、あくまで私個人が感じたものであり、一般化できるものではないと考えています。


モノを持たない生き方を、今日から始めるには

「モノへの執着を手放してみたい」と感じた人へ、下記の2点をお話しします。

  • 大きな決断がなくても始められること
  • 海外に出るなら、手放しておきたい考え方

大きな決断がなくても始められること

私の場合は所持金10ドルという極端な状況がきっかけでしたが、同じような経験をする必要はありません。小さく始められることとして、下記のような視点が参考になる可能性があります。

  • 週1回以上使うか、を自問する
  • 1年使っていないものから手放す
  • 念のためのものをリストアップする

あくまで私個人の経験から導いた視点であり、効果には個人差があるので注意してください。

海外に出るなら、手放しておきたい考え方

海外生活やワーホリを考えているなら、「失うことへの恐怖」を手放しておくことをおすすめします。私自身、渡航前は大量の荷物を持って行きましたが、結局使わなかったものがほとんどでした。実際に何を持っていくべきかについては、下記の記事をご覧ください。

【不要だったもの】ワーホリの持ち物リストをメルボルン・NZ両方行った私が厳選

渡航前の資金準備についても、モノと同じように「本当に必要な金額」を見極めることが大切です。詳しくは下記の記事をご覧ください。

ワーホリにいくら必要?資金調達と貯め方【所持金10ドルの失敗談】


まとめ

所持金10ドルという経験は、選んで手に入れたのではなく、必然的に辿り着いたミニマリズムでした。しかし、ワーホリを通じて得た「なくても案外平気」という感覚は、貧困の期間が終わった今も、私の生き方に影響を残し続けています。モノを減らすことは目的ではなく、結果でした。

本記事が、モノへの執着に悩む誰かの、小さなきっかけになれば嬉しいです。

※本記事は筆者個人の体験と価値観に基づく内容です。同じ経験をしても、すべての人が同じ結果に至るとは限りません。ライフスタイルの選択については、ご自身の状況に合わせて判断してください。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次