「ワーホリ、いくら持っていけばいいんだろう」
渡航前、私も同じことを考えていました。エージェントサイトには「50万円あれば安心」と書いてあります。でも根拠が薄くて、本当に信用していいのかわからなかったのです。結局、私は500ドルでオーストラリアに渡航しました。ニュージーランドで週300ドル程度貯金できていたから、「なんとかなる」と高をくくっていたのです。
メルボルンに移ってからは週マイナス61ドルの赤字が続き、最終的に所持金が10ドルにまで追い込まれました。銀行アプリを開いて10ドルという数字を見た夜のことは、今でも忘れられません。本記事では、10ドルまで追い詰められた経験をもとに、渡航前に最低50万円が必要な理由について解説します。費用の内訳やリゾバの活用、緊急の備えについても解説します。
これからワーホリを考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。なぜ私がワーホリに挑戦し、公務員を辞めるという決断に至ったのか。詳しい経緯は下記のプロフィール記事でお話ししています。
※本記事は私個人の2017〜2018年当時の体験をもとに書いています。費用の目安はあくまで参考値です。最新の物価や為替、各種料金は公式サイトや現地情報でご確認ください。
ワーホリに最低50万円必要な理由

ワーホリに最低50万円必要な理由について、下記の3点を解説します。
- 渡航前にかかる3つの費用
- 見落とされがちな「到着直後の出費」
- 仕事が安定するまでの3か月分の生活費
渡航前にかかる3つの費用
渡航前に発生する費用は3つあります。航空券とビザ申請料、海外旅行保険です。日本からオーストラリアへの片道は、早期予約でも4〜6万円が相場です。ニュージーランドは5〜8万円ほど見ておく必要があります。私が2017年7月にニュージーランドに渡航した際は、日本からの片道で約10万円かかりました。
ビザ申請料は、オーストラリアのワーキングホリデービザが約670ドルほどかかります。ニュージーランドはビザ申請料自体は無料ですが、申請時に国際観光税として35ドルかかります。オンラインで申請でき、即日〜数日で許可が下りることが多いです。料金は渡航前にかかる固定費として計上しましょう。
保険は、加入する会社や補償内容によって年間10〜20万円の幅があります。「クレジットカードの付帯保険でいい」と考える人もいますが、ワーホリの滞在期間全体をカバーするには不十分です。航空券とビザ申請料、海外旅行保険を合計すると、渡航前の固定費だけで20〜30万円前後になります。
※費用は2017~2017年当時の私個人の実例をもとにした参考値です。現在の為替や料金は各公式サイトでご確認ください。
見落とされがちな「到着直後の出費」

渡航前費用だけ計算して「あとは現地で稼げばいい」と考えると、到着直後に資金不足に陥ります。到着してすぐ仕事が始まるわけではないからです。到着直後は、宿泊費がかかります。住む場所が決まるまでのあいだ、ホステルやゲストハウスに泊まるのが普通です。
メルボルンでは1泊2,000〜3,000円ほどのドミトリーが一般的で、住居が決まるまで1〜2週間かかります。到着直後の宿泊費だけで2〜3万円になる計算です。シェアハウスに入居する際は、家賃1〜2週間分の保証金を先払いするケースがほとんどです。メルボルンでは週150〜250ドルが一般的な相場なので、保証金だけで150〜500ドルかかります。
他にもSIMカードや食料品、交通系ICカードなど、細かい出費が重なります。最初の給料が入るまでの期間は、収入がない状態で支出だけが続く「空白期間」です。空白期間に必要な資金として、最低でも10〜15万円は確保する必要があります。
仕事が安定するまでの3か月分の生活費
仕事が決まっても、すぐに生活が安定するわけではありません。ファームは天候や収穫状況に左右されるため、週によって収入が変動します。都市部の仕事も、採用されるまでに時間がかかることが多いです。収入が安定しない状況は、渡航後3か月は続くと想定しておく必要があります。メルボルンでの私の実態を公開します。
私がメルボルン郊外のファームで働いていた時期でも、週収入は54ドルでした。一方、支出は家賃や食費、交通費を合わせて週115ドルかかりました。差し引き、週マイナス61ドルの赤字です。オーストラリアで必要な生活費の目安は、下記の通りです。
| 項目 | 週の費用 |
|---|---|
| 家賃(シェアハウス週払い) | 150〜250ドル |
| 食費(自炊中心) | 50〜80ドル |
| 交通費(都市部・週5勤務想定) | 20〜40ドル |
| 通信費(SIM月額・週換算) | 20〜40ドル |
| 合計 | 240〜410ドル |
合計すると、都市部では週240〜410ドル(月換算で約9〜16万円)の支出を想定しておく必要があります。3か月分で約27〜48万円です。渡航前費用と合わせると、50万円でも決して余裕があるとは言えません。
※上記は2018年当時のメルボルンでの個人の実体験です。現在の物価はこれを上回る可能性があります。
500ドルで渡航した私が所持金10ドルになるまで

500ドルで渡航した私が所持金10ドルになるまで追い詰められて経緯について、下記の3点をお話します。
- ヘイスティングスで稼げたからこその油断
- 週マイナス61ドルの収支表
- 追い詰められてから感じた後悔
ヘイスティングスで稼げたからこその油断
ニュージーランドのヘイスティングスでは、週300ドル程度を貯金できました。ファームの仕事は体力勝負でしたが、収入は安定していたのです。問題は、ヘイスティングスで稼げる状況が、オーストラリアでも通用すると思い込んでいたことです。農業地帯の小さな街では家賃が安く、生活費があまりかかりません。
週の支出が少ない分、収入が貯金につながりましたが、都市部では事情が異なることを失念していたのです。オーストラリア渡航を決めたとき、手元には500ドルしかありませんでした。「現地でファームに入れば稼げる」という根拠のない自信が、500ドルでの渡航に繋がりました。当時の自分に言えるのは、「成功体験は環境による」ということです。
稼げた場所や理由を分析していれば、500ドルで渡航するという判断はしなかったはずです。ヘイスティングスでの成功体験の詳細については、下記の記事をご覧ください。
ヘイスティングスで週314ドル貯金できた成功体験談【ニュージーランド・ファーム労働】
週マイナス61ドルの収支表

メルボルンに着いてすぐ、状況が違うことを痛感しました。都市部の家賃は高く、食費も高かったのです。ファームの仕事もすぐには見つからず、出費だけが先行しました。仕事が決まり、収支をノートに書き出したのが渡航から2週間ほど経ったころのことです。ノートに出てきた数字は、下記の通りでした。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 週収入(税引き後) | 54ドル |
| 週支出(家賃+食費) | 115ドル |
| 週の収支 | マイナス61ドル |
週に61ドルずつ手持ちが減っていく計算です。手持ちの資金が減っていては生活できないと判断し、2週間でファームを離れる決断をしました。ファームを出た後も「もっと稼げる仕事に移れば解決する」という気持ちで求職活動を続けていました。いま振り返ると、楽観的な見通しが判断を甘くしていたと思います。
仕事が見つかるまでの間も、手持ちは確実に減り続けていたからです。稼いでいるように見えても、支出が上回っている限り、手元のお金は減り続けます。ノートの数字が現実を教えてくれていたのに、私は「一時的なもの」として受け流してしまいました。
追い詰められてから感じた後悔
所持金が10ドルになったのは、メルボルン滞在中のことです。銀行アプリを開いたとき、10ドルしか入っていないという現実。10ドルしか残っていない絶望感は今でも覚えています。1番きつかったのは、頼れる手段がなかったことです。親に連絡することは頭に浮かびましたが、日本からオーストラリアへの送金手段がわかっていない状態でした。
Wiseのような送金サービスを知らなかったし、海外キャッシングができるクレジットカードも持っていなかったのです。資金が底をついたとき、緊急手段を用意していなかった自分に対して、情けなさを覚えました。お金の不安は、心の余裕を奪います。仕事を探す気力も、英語を話す意欲も、出かけること自体への意欲も、なくなったのです。
資金不足はただの金銭問題ではなく、ワーホリ全体の体験を台無しにするリスクがあります。所持金10ドルから、魚の卸会社での安定収入を得るまで生還した1か月間の詳しい記録は、下記の記事をご覧ください。
ブリスベン→メルボルン、仕事が見つからず所持金10ドルまで追い詰められた話【実体験】
渡航前に50万円を貯める方法【リゾバをすすめる理由】

「50万円必要とわかった。でもどうやって貯めるか」という問いへの答えを解説します。私がおすすめしたいのが、リゾートバイト(リゾバ)です。下記の3点を解説します。
- 普通のバイトとリゾバで貯金額の違い
- お金と接客経験が同時に手に入る理由
- 公務員だった私がリゾバをすすめる理由
普通のバイトとリゾバで貯金額の違い
渡航前に50万円を貯めようとしたとき、普通のアルバイトとリゾバでは、貯まるスピードが異なります。貯金ペースの比較表は、下記のとおりです。
| 項目 | 普通のアルバイト | リゾバ |
|---|---|---|
| 想定条件 | 週5日・時給1,200円・1日6時間 | 寮費・食費無料の案件 |
| 月収(税引き前) | 約14万円 | 約20万円 |
| 住居費・食費 | 別途かかる | ほぼ0円 |
| 月の手残り(目安) | 3〜5万円程度 | 15〜20万円程度 |
| 50万円貯まるまでの期間 | 10〜17か月 | 3か月以下 |
※上記は一般的なケースを想定した試算です。実際の収入や貯金額は、勤務地や職種、生活スタイルによって異なります。
リゾバは住居費と食費がほぼかからないため、稼いだお金がそのまま貯まります。同じ期間働いても、貯金額に数倍の差が生まれるのです。私が渡航前にリゾバを経験していれば、余裕を持ってオーストラリアに行けたはずです。実際には公務員として働いていたため、副業でリゾバをする選択肢はありませんでした。
しかし、辞めてから渡航前の期間にリゾバを挟む選択肢は十分あったと、今になって思います。
お金と接客経験が同時に手に入る理由

リゾバのメリットは貯金効率だけではありません。ホテルや旅館、スキーリゾートなどで働くリゾバは、実際の職場で接客スキルを積める環境です。接客経験は、ワーホリ中で役立ちます。オーストラリアなどでは飲食店やホテルでの仕事が多く、接客経験があるかどうかが大切です。英語が多少不十分でも、接客の基本動作ができる人材は歓迎されます。
私自身、都市部での仕事探しでは「接客経験があるか」を問われる場面が何度もありました。リゾバで半年働けば、貯金50万円と接客スキルという2つの成果が同時に手に入ります。渡航前の準備として、リゾバほど効率の良い手段は他にありません。
※リゾバの収入・貯金額は、職種や施設、期間によって異なります。
公務員だった私がリゾバをすすめる理由
私は渡航前、公務員として働いていました。安定した収入はありましたが、副業は禁止されていたため、リゾバという選択肢がなかったのです。退職してから渡航するまでの期間も、すぐに動いてしまったため、リゾバで貯める時間を作りませんでした。ワーホリで後悔したからこそ、渡航前のリゾバををすすめたいのです。
3〜6か月リゾバで働けば、渡航資金の大部分を現地収入に頼らず用意できます。「早くワーホリに行きたい」という気持ちはわかります。しかし、資金不足を経験してみると、渡航前の2〜3か月前に資金を増やすことがいかに重要かがわかります。急ぎたい気持ちを抑えて、資金を貯めてから出発しましょう。
リゾバ求人の探し方や会社の選び方については、下記の記事で詳しく解説しています。
【半年で100万円+接客スキル】ワーホリ前にリゾバをすすめる理由
渡航前に準備しておくべき緊急の備え2つ

渡航前に50万円を用意できただけでは、十分とは言えません。現地で想定外の出費が続けば、どれだけ貯めても底をつきます。緊急時の備えとして、下記の2点を解説します。
- 海外キャッシングができるクレジットカード
- Wise送金ルートの確認
海外キャッシングができるクレジットカード
海外キャッシングとは、現地のATMでクレジットカードを使ってお金を引き出せる機能です。海外キャッシング対応のクレジットカードを持っておくと、緊急時に役立ちます。私が所持金10ドルになったとき、海外キャッシングを持っていれば状況は違っていました。ATMで数万円引き出し、食費と交通費を確保できたはずです。
しかし当時の私は海外キャッシング対応のカードを持っておらず、引き出す手段がありませんでした。渡航前に準備すべきカードの条件は、下記の3点です。
- 海外キャッシング手数料が低い
- 年会費が無料または低コストである
- VISAやMastercardに対応している
手数料が気になる場合は、現地での引き出し後すぐに繰り上げ返済することで、利息をほぼゼロに抑えられます。クレジットカードの比較と選び方については、下記の記事で解説しています。
【2026年最新】ワーホリで使えるクレカ4選|海外キャッシング完全比較
Wise送金ルートの確認
万が一のとき、親や家族に「お金を送ってほしい」と頼める状況を作っておくのも重要です。ただし、日本から海外への送金は、方法を知らないと手数料と時間が大幅にかかります。国際送金は手数料や着金日数が金融機関によって異なりますが、緊急時には間に合わないケースがあります。私が後悔しているのは、渡航前にWiseについて知らなかったことです。
Wiseは海外送金に特化したサービスで、銀行送金と比べて手数料を抑えられ、着金までの時間も短いです。スマートフォンで操作でき、送金手続きはシンプルです。渡航前には、親のスマートフォンにWiseをインストールしてもらい、テスト送金を1回やっておきましょう。テスト送金時の金額は、少額で構いません。
「いざとなれば送ってもらえる」という状況を作っておくと、現地での安心感が変わります。緊急の備えは「使わないことが理想」ですが、持っていないと追い込まれます。渡航前に十分に準備しておくことが大切です。Wiseの使い方と送金手順については、夏期の記事で詳しく解説しています。
Wiseを知らなかった私の後悔【銀行送金で3〜7営業日と言われて諦めた話】
※Wiseの手数料・着金日数は為替状況や送金額によって変動します。銀行送金の条件も金融機関によって異なります。最新情報はWise公式サイトおよび各金融機関でご確認ください。
まとめ:渡航前の資金調達チェックリスト

ワーホリに最低50万円必要な理由は、渡航前の固定費や到着直後の出費、3か月分の生活費という支出が重なるからです。私自身、500ドルでオーストラリアに渡航した結果、週マイナス61ドルの赤字が続いて所持金10ドルまで追い詰められました。資金不足はただの金銭問題ではなく、ワーホリ全体の体験を損なうリスクです。
渡航前に貯金したい場合、住居費と食費がほぼかからないリゾバをおすすめします。普通のアルバイトと比べて月の手残りに数倍の差が生まれ、3か月以内に50万円を貯めることも可能です。リゾバをすると接客スキルも身に付くため、現地での就職活動で強みになり得ます。ただし、50万円を用意するだけでは十分とは言えません。
想定外の出費に備えるため、海外キャッシング対応のクレジットカードと、Wiseを使った送金ルートの2つを渡航前に準備しましょう。緊急の備えは「使わないことが理想」ですが、持っていないと選択肢自体がなくなります。渡航前の準備に費やす数か月は、現地での体験の質を左右する、重要な投資です。
※本記事の金額はすべて2017〜2018年当時の個人の実体験をもとにした参考値です。現在の物価や為替、各種費用は変動しています。渡航前に最新情報をご確認ください。



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