ワーホリ「帰りたい」は甘えじゃない【メルボルンで限界を迎えた4つのサイン】

「もう限界かもしれない」——そう感じたことはありませんか。

オーストラリアワーホリ中、私も同じ状態に陥っていました。メルボルン到着時の所持金は約500ドル、週の赤字は61ドルで、計算上3週間で底をつくペースでした。ブリスベンでは時給換算4ドルという環境に直面し、シェアハウスの廊下で寝泊まりする夜もあったのです。

銀行アプリを開くたびに減っていく数字を見て、涙が止まらなくなったのを覚えています。本記事では、私が実際に経験した4つの限界のサインについて解説します。心を保つために実践した方法や、帰国を「逃げ」ではなく前向きな選択にするための判断基準も書きました。今、現地でつらいと感じているなら、我慢し続ける必要はありません。

1歩踏み出すきっかけを得たい人は、ぜひ最後までご覧ください。

※本記事は筆者が2018年にオーストラリア・メルボルンで体験した記録です。深刻な心の不調を感じたら、医療機関や専門家にご相談ください。

目次

今のあなたに近いのはどれですか?

状態該当セクション
今、現地でつらいと感じている今すぐ確認したいサイン
帰るべきか悩んでいる「帰国」は逃げじゃない
帰ると決めた・お金や生活が不安帰国が決まったら
すでに帰国して就活中失敗を隠さなかったら、評価された

【今すぐ確認】当てはまるサインはいくつ?

今のあなたの状態を確認してみましょう。下記の4つのうち、いくつ当てはまるかチェックしてください。

  • 毎日「日本に帰りたい」と考えている
  • 感情が麻痺し、理由もなく涙が出る
  • 眠れない、眠っても休んだ気がしない
  • SNSに愚痴しか書けなくなった

0〜1個なら、今は問題ありません。ただ、知っておくだけで早めの対処につながります。2個なら、心と体が疲れているサインです。次章で紹介する対処法を試してみてください。3〜4個当てはまる場合は、専門家や信頼できる人に相談することをおすすめします。

つらいときに相談できる窓口

  • 海外こころのヘルプデスク24時:https://www.helpdesk24.net/
  • 在メルボルン日本国総領事館:+61-3-9679-4510(緊急時24時間対応)
  • 在シドニー日本国総領事館:+61-2-9250-1000(緊急時24時間対応)

※チェック数はあくまで目安です。同じ数でも、感じ方や状況は人それぞれ異なります。


なぜ「帰りたい」と感じるのか【甘えではない理由】

「帰りたい」と感じてしまう自分を、甘いと責めていませんか。帰りたいと感じる理由を2つの視点から説明します。

  • 資金の減るペースと心の状態は連動する
  • 環境要因で誰でも消耗する

資金の減るペースと心の状態は連動する

メルボルン到着時、所持金は約500ドルありました。週の赤字は61ドル。計算上は3週間ほどで底をつくペースだったのです。当時の私は「まだ大丈夫」と思い込もうとしていました。しかし、数字が減るのと同じスピードで、心も削られていったのです。最初の1週間は「すぐに仕事が見つかる」と楽観的でした。

しかし2週間目に入ると、応募しても返事が来ない日々に焦りが募り始めます。3週間目、所持金が10ドルに近づいた頃には、「帰りたい」という気持ちが頭を占めるようになりました。銀行アプリを開くたびに減っていく数字を見て、現実を突きつけられる感覚を、今でも覚えています。生存に関わる不安が高まるほど、脳は他のことを考える余裕を失います。

心の余裕のなさは性格の弱さではなく、資金に連動した、自然な反応です。数字と心が連動していると知るだけでも、少し楽になれるはずです。

環境要因で誰でも消耗する

「自分だけが弱いのでは」と考える必要はありません。ワーホリという環境が、人の心を消耗させる要素を複数抱えているからです。知らない土地、不慣れな言語、頼れる人が少ない状況。精神的な負荷は大きいのに、資金や仕事の不安が重なります。日本にいれば当たり前だった「困ったら誰かに相談できる」という安心感も、渡航直後は十分に築けていません。

相談できる相手がいないまま不安だけが積み重なっていくのは、想像以上に消耗するものです。私自身、ニュージーランドでは同じような不安を感じませんでした。語学学校という毎日顔を合わせる環境があり、友人関係も自然にできていたからです。しかしオーストラリアでは、慣れない環境に加えて仕事探しの停滞が重なりました。

支えとなる人間関係を築く前に消耗していたのです。環境が変われば、同じ人間でも受けるダメージは変わります。「帰りたい」と感じるのは、性格や覚悟が足りないからではなく、複数のストレス要因が重なった結果です。1つ1つの要因は小さくても、重なれば誰でも限界を迎えます。


私が経験した4つのサイン

チェックリストにあった4つのサインについて、当時の状況を詳しく解説します。

  • 毎日「日本に帰りたい」と考えている
  • 感情が麻痺し、理由もなく涙が出る
  • 眠れない、眠っても休んだ気がしない
  • SNSに愚痴しか書けなくなった

毎日「日本に帰りたい」と考えている

ブリスベンで時給換算4ドルという環境に直面したときから、「帰りたい」という言葉が頭をよぎりました。最初は「今日はつらかったから」という感覚で、週に1度あるかどうかでした。しかしメルボルンに移り、仕事が決まらない日々が続くにつれて、頻度は変わったのです。

「ホームシック」であれば、新しい環境に慣れたり誰かと話したりすることで、自然と和らぎます。しかし私の場合、状況が悪化するほど「帰りたい」という気持ちが強まりました。時間が解決してくれるわけではなく、置かれている状況に対する限界のサインだったのです「海外にいる」という条件でも、環境や仕事の状況によって心の状態は異なります。

「帰りたい」という気持ちの裏には、今の環境へのSOSが隠れている場合があるのです。

感情が麻痺し、理由もなく涙が出る

所持金が減っていく中で、感情の動き方が変わっていったのを覚えています。うれしいことがあっても素直に喜べず、逆にちょっとしたことで涙が出そうになる。自分でも「おかしいな」と思いながら、感情の波をコントロールできませんでした。スーパーで会計をしているとき、店員さんに「ありがとう」と言われただけで、涙腺が緩みそうになりました。

余裕がなくなっていたのです。逆に、友人からワーホリを楽しんでいる報告が届いても喜べず、心のどこかで距離を感じていました。普段の自分なら気にも留めないような些細な出来事に、感情が過剰に反応する。逆に、本来なら嬉しいはずの出来事に対して何も感じない。心が限界に近づいているサインだったのだと、後から振り返って気づきました。

眠れない、眠っても休んだ気がしない

シェアハウスの廊下で寝泊まりしていた時期、物理的な環境の悪さもあり、眠りは浅くなりました。頭の中で仕事やお金のことがぐるぐると回り続け、布団に入ってもなかなか寝つけない夜が増えていったのです。翌朝目が覚めたときに「休んだ」という感覚がありません。体はベッドに横になっていただけで、頭は1晩中働き続けていたような感覚でした。

日中も常に気だるさが抜けず、求職活動をする気力すら湧かない日もありました。睡眠の質が落ちると、判断力や気力にも影響します。私の場合、眠れない日が続くほど「帰りたい」という気持ちも強くなっていく感覚がありました。眠れない夜が続いているなら、心身がすでに限界に近いサインかもしれません。

SNSに愚痴しか書けなくなった

ニュージーランドにいた頃のFacebookは、前向きな投稿ばかりでした。新しくできた友人との写真、ファームでの成長、貯金が増えていく報告。読み返すと、当時の充実感が伝わってくるような内容です。しかしオーストラリアに移ってからは、投稿の中身が一変しました。「今日も仕事が決まらなかった」「もう疲れた」「いつまで続くんだろう」。

愚痴と呼べるような投稿ばかりが増えていったのです。友人からは「大丈夫?」というコメントをもらいましたが、返信する気力がわきません。前向きな話題を見つけられないほど、日々の中に「良かったこと」がなくなっていたのです。SNSの投稿内容は、自分では気づきにくい心の状態を、客観的に教えてくれます。


私が現地で実践した心の保ち方

「帰りたい」と感じながらも、私が当時実践していた心の保ち方を3つ紹介します。

  • 小さな目標だけに集中する
  • SNSで気持ちを吐き出す
  • 無料で使える場所で環境を変える

小さな目標だけに集中する

「今日1日を生き延びる」ことだけを考えるようにしていました。「1か月後どうするか」「貯金はいくら必要か」といった先のことを考えると、不安ばかりが膨らみます。履歴書を3件送る、1時間だけ外を歩く、身の回りを整理する、といった小さな目標だけに集中しました。大きな目標は、限界に近い状態では重すぎます。

しかし「今日もなんとか乗り切れた」という小さな達成感は、次の日を生きる力になりました。不安を小さく分解すると、「できること」が見えてくるのです。

SNSで気持ちを吐き出す

「所持金がヤバい」「仕事が見つからない」。正直な気持ちを、SNSに投稿していました。愚痴ばかりでの後ろめたさもありましたが、言葉にすることで少し心が軽くなったのも事実です。「いいね」やコメントをもらえるだけで、「1人じゃない」と感じられました。ネガティブな感情を言葉にするのは、悪いことではありません。

誰かに見てもらえる、反応をもらえるだけで、孤独感は和らぎました。

無料で使える場所で環境を変える

バックパッカーの部屋にずっといると、壁に押しつぶされそうな感覚になりました。同じ空間に何時間もいると、不安は増幅されます。1日数時間だけでも、図書館や公園、無料Wi-Fiのカフェに出て、環境を変えました。図書館では求人サイトを眺めたり本を読んだりし、公園では芝生に座ってただ空を眺めていました。

お金をかけずに気分転換できる場所を見つけておくと、精神的な余裕が生まれます。


「帰国」は逃げじゃない【判断の目安】

帰国を考えるべきタイミングについて、下記の3つの目安を紹介します。

  • 精神的に辛すぎると感じたとき
  • 資金が完全に尽きる前
  • 安全が脅かされていると感じたとき

精神的に辛すぎると感じたとき

食事を楽しめない、眠れない夜が続く、「帰れないかもしれない」という恐怖がある。精神的につらいと感じる状態が続いているなら、帰国という選択肢を考えていいタイミングです。当時の私は「帰国したら負け」だと思い込んでいました。しかし、生きて帰ることが最優先です。

プライドや「負けたくない」という気持ちよりも、自分の健康を優先してください。

資金が完全に尽きる前

帰国を考えるタイミングは、航空券代+1週間分の生活費を下回った時点です。所持金が10ドルになってからでは、帰るという選択肢すら失われかねません。資金がどのくらいのペースで減っているかのセルフチェックは、下記の記事で詳しく解説しています。

資金が尽きる前に現れた5つのサイン【所持金10ドルになった私の実体験】

安全が脅かされていると感じたとき

シェアハウスの廊下で寝かされる、最低時給を下回る歩合制で働かされる。安全が脅かされている環境に留まり続けることは、自分を危険にさらし続けることと同じです。「頑張れば改善するはず」という思い込みは、危険な環境ほど裏切られやすいと、私自身の経験から感じています。

健康や安全が脅かされていると感じたら、環境から離れることを最優先に考えてください。


帰国が決まったら【資金調達と生活再建の見取り図】

帰国を決めたときに知っておきたい、お金の作り方と帰国後の手続きをまとめました。

  • お金がなくても帰る方法
  • 帰国後やるべき手続きと公的支援

お金がなくても帰る方法

お金がなくても帰る方法は、下記のとおりです。

方法所要時間特徴
Wiseでの送金数時間〜1営業日手数料は数百円程度と安い
海外キャッシング即日事前契約必須・現地では契約不可・利息あり
クレジットカード即時限度額があれば航空券を直接購入可能
大使館への相談都度渡航書発給や送金方法の助言(貸付は原則なし)

いずれも、渡航前の準備や限度額によって使える・使えないがわかれます。詳しい使い方は、それぞれ下記の記事で解説しています。

Wiseを知らなかった私の後悔【銀行送金で3〜7営業日と言われて諦めた話】
【ワーホリ渡航前は必見】VISAカードの海外キャッシングが必要な話
クレジットカードで航空券や生活費をまかなう場合の選び方は、下記の記事でも解説しています。
【2026年最新】ワーホリで使えるクレカ4選|海外キャッシング完全比較

※海外キャッシングは年率15〜18%程度の利息がかかるため、緊急時の手段として、早めの返済を前提に利用してください。

帰国後やるべき手続きと公的支援

帰国後は、国民健康保険と国民年金の手続きを早めに行いましょう。海外転出届を出していた場合、帰国後14日以内に転入届が必要です。貯金がほとんどない場合は、生活福祉資金貸付制度や、求職者支援制度といった公的支援も検討できます。使える制度は積極的に使い、生活を立て直すことが大切です。


失敗を隠さなかったら、むしろ評価された

帰国後の面接で、ファームで所持金10ドルまで追い込まれた経験を、正直に話しました。面接官は驚いていましたが、嫌な顔はされませんでした。むしろ「そこからどうやって立て直したんですか?」と興味を持って聞いてくれたのです。魚の卸会社で週48時間働いて貯金したことを説明すると、採用が決まりました。失敗を隠す必要はありません。

正直に話したほうが、むしろ相手は興味を持ってくれます。「逆境から立て直した経験」に価値を見出してもらえたのだと思います。帰国後のブランク期間の説明や面接での伝え方については、下記の記事をご覧ください。

ワーホリ後に就職できないは本当か【公務員・ブランク2年でも採用】

30代でワーホリから帰国した場合の実情については、下記の記事もあわせてご覧ください。

30歳でワーホリから帰ってきた!帰国後の現実について【2019年実録】


まとめ

「帰りたい」と感じることは、甘えでも弱さでもありません。資金の減少、慣れない環境、積み重なるストレス。複数の要因が重なれば、誰の心も限界に近づきます。大切なのは、限界のサインに早めに気づき、適切なタイミングで助けを求めることです。帰国という選択肢も「負け」ではありません。

あなたが今、現地でつらい状況にあるなら、我慢し続ける必要はないのです。本記事で紹介したサインやセルフチェックが、今のあなたの状況を客観視するきっかけになれば嬉しいです。正直に伝えれば、失敗はむしろ強みとして評価されます。あなたの経験も、次のステップできっと生きるはずです。


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【免責事項】

本記事は、筆者が2018年にオーストラリア・メルボルンで個人的に体験したワーキングホリデーの記録です。

◆ 本記事は医療アドバイスではありません

メンタルヘルスに関する記述は、筆者個人の感覚と経験です。医学的な診断基準ではありません。深刻な心の不調を感じたら、医療機関や専門家に相談してください。

◆ 本記事はキャリアアドバイスではありません

就職活動に関する記述は、筆者個人の経験です。業界や企業によって評価は異なります。専門的なキャリア相談は、キャリアカウンセラーや転職エージェントへご相談ください。

◆ 相談窓口

海外こころのヘルプデスク24時:https://www.helpdesk24.net/
在メルボルン日本国総領事館:+61-3-9679-4510
在シドニー日本国総領事館:+61-2-9250-1000

◆ 本記事の情報に基づく行動について

筆者および当サイトは一切の責任を負いかねます。個別の状況については、必ず専門家や信頼できる人に相談してください。


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