ワーホリはやめとけは本当か【所持金10ドルになった私が正直に答える】

「ワーホリはやめとけ」と言われたとき、あなたはどう感じましたか?

私も同じ言葉を何度も言われました。公務員を辞めて渡航した私は、言われたことが全部現実になりました。ブリスベンのファームで時給換算4ドルしか稼げず、メルボルンでは所持金が10ドルまで減ったのです。帰国後の面接では「2年のブランクについて教えてください」と毎回突かれました。

精神的に追い詰められ、「死んでしまうんじゃないか」と感じた夜が今でも忘れられません。本記事では、「やめとけ」が全部現実になった私の2年間を実録として解説します。英語は伸びないのか、お金は足りなくなるのか、帰国後就職は不利なのかという部分も当事者として書きました。

ワーホリに行ってよかったと感じる理由と、向いている人・向いていない人の違いについても解説します。「やめとけ」という言葉で迷っている22〜29歳の人に、本記事が判断の材料になれば嬉しいです。

※本記事は私個人の2017〜2019年当時の体験をもとに書いています。就職活動の結果や現地での収入・労働条件は、個人の経歴や時期、業界によって異なるので注意してください。


目次

「やめとけ」が全部現実になった私の2年間

「やめとけ」と言われたことが実際に起きた当事者として、下記の3点をお伝えします。

  • ファームで時給換算4ドルしか稼げず
  • 所持金10ドルまで追い詰められた1か月
  • 「ブランク2年」を突かれ続けた就活動

ファームで時給換算4ドルしか稼げず

2018年10月、オーストラリアに渡航してすぐ、ブリスベン近郊のファームで働き始めました。ワーホリでファームといえば「稼げる」というイメージを持っていた人は多いと思います。ところが現実は違いました。歩合制で最低時給の保証がなく、ブリスベンでは1日8時間働いて手取り30ドル。時給換算で約4ドルです。

当時のオーストラリアの最低時給は19ドルでしたが、最低賃金の5分の1以下でした。環境の悪さに3日で見切りをつけてメルボルンへ移動したのです。しかし、紹介されたイチゴのファームも、シーズンオフで週3日・1日3時間しか働けませんでした。メルボルンで稼げなかった週の収支は下記のとおりです。

項目金額
収入(イチゴ収穫・歩合制・税引き後)約53.6ドル
宿泊費80ドル
食費約35ドル
合計支出約115ドル
収支−約61ドル(赤字)

ブリスベンとメルボルンを合わせた17日間の合計は、手取り107ドルに対して支出約265ドル。約158ドルの赤字でした。ニュージーランドのヘイスティングスでは週400ドル貯金できていたのに、油断が命取りになったのです。

※上記は2018年当時の私個人の体験です。ファームの賃金や条件は農場や作物、時期によって異なります。

所持金10ドルまで追い詰められた1か月

ファームから離れてバックパッカーに移った時点で、所持金は約500ドルでした。仕事が決まれば何とかなると思っていましたが、現実は簡単ではありませんでした。日豪プレスやIndeedで10件ほど応募しながら求職活動を続けましたが、返事はほとんどありません。

バックパッカーの宿泊費が週130ドルかかるため、所持金が2週間で10ドルまで減りました。食費を1日5ドル以下に抑え、スーパーで値引き品のパンとペーストを買い、図書館で時間を潰す。所持金が減っていくのを見ながら、帰国すべきかどうかを毎晩考えていました。

3ドルの食材を買うたびに銀行残高を確認し、「死んでしまうんじゃないか」と感じていたのを覚えています。精神的に追い詰められる感覚は今でも覚えています。絶望しながらも、日本人向けサイトで見つけた魚の卸会社に採用してもらい、何とか立ち直れました。詳しい経緯は、下記の記事で書いています。

メルボルンで所持金10ドルにまで追い詰められた1か月サバイバル記録

「ブランク2年」を突かれ続けた就活動

2019年10月に帰国した私は、30歳になっていました。2年間の空白を抱えながらの就職活動は、精神的にきついものです。面接では必ずと言っていいほど「2年間のブランクについて教えてください」という質問が来ました。「なぜ公務員を辞めたのか」という質問とセットで聞かれることが多っかたです。

一貫したストーリーで説明する必要がありましたが、うまく答えられなかった面接も何度もあります。帰国後3週間目が最も焦りのピークでした。求人サイトを開いては閉じる、を繰り返し、「就職先が決まらなかったらどうしよう」という不安が頭をよぎりました。

「所持金10ドルになっても動き続けた自分が、なぜ今動けないのか」という気持ちが、4週間目からの行動への起爆剤になったのです。


経験を踏まえて「やめとけ」の理由を検証する

実際に経験したうえで、やめとけと言われる3つの理由について答えます。

  • 英語は本当に伸びないのか
  • お金は足りなくなるのか
  • 帰国後就職は不利なのか

英語は本当に伸びないのか

結論から言えば、「条件次第で伸びるし、条件次第で伸びない」です。ワーホリに限らず、どんな環境でも同じことが言えます。私の場合、ニュージーランドでは語学学校に3か月通い、ファームで現地の人たちと一緒に働きました。農場では英語しか通じない環境だったため、日常会話レベルは確実に上がりました。

聞き取れる英語の量が増えたのは、語学学校と現地就労の組み合わせのおかげです。一方のオーストラリアでは、日本人向けの職場環境にいた時期が長く、英語があまり伸びませんでした。同じワーホリでも、どこで何をするかで結果が変わります。「英語が伸びる環境」と「伸びない環境」の違いは、下記のように整理できます。

環境英語が伸びやすい英語が伸びにくい
職場現地スタッフとの混在職場・市場など日本人スタッフが多い日本人向け職場
生活現地人とのシェアハウス日本人同士のシェアハウス
学習語学学校+現地就労の組み合わせ独学のみで現地交流なし

「英語が伸びない」という話は本当ですが、「何もしなければ伸びない」という意味です。意識的に英語環境に身を置けば、伸びます。

お金は足りなくなるのか

お金が足りるかは、「準備と状況次第」というのが正直な答えです。私のように所持金10ドルになった経験から言えば、足りなくなる可能性は十分にあります。渡航直後は仕事が見つかるまでの期間が読めないため、最低でも3か月分の生活費は持って渡航すべきでした。

私がメルボルンのバックパッカーに移った時点で約500ドルしか残っていませんでした。バックパッカーの宿泊費が週130ドルかかるため、2週間で10ドルまで底をついた形です。ただし、お金に関しては防げた失敗でもあります。ファームの選び方や仕事の探し方、資金管理の知識があれば避けられたことが多かったです。

「お金が足りなくなる」というリスクは本物ですが、準備と知識で軽減できます。

帰国後就職は不利なのか

私が実際に経験したうえでの答えは「不利に見えるが、動き続ければ道は開けた」です。帰国後10社以上に応募し、1か月で塾講師のアルバイトとして採用が決まりました。福祉職の正社員として採用されるまでには3か月かかりましたが、収入は安定しました。面接でよく来た質問と、私が実際に使った答え方の方向性は下記のとおりです。

面接でよく来た質問私が使った答え方の方向性
なぜ公務員を辞めたのか「前職への不満」ではなく「次に向かった理由」として話す
2年間のブランクについて教えてください所持金10ドルになった経験と、魚の卸会社で週48時間働いて立ち直った行動を話す
ワーホリで何を学びましたか失敗を自分で解決する力・ゼロから人間関係を作る経験

帰国後就職が不利になるのは、2年間何をしたかを説明できない場合です。エピソードがあれば、他の候補者との差別化につながります。塾の面接で所持金10ドルの話をしたとき、面接官から「どうやって立て直したんですか?」という深掘り質問が来たのです。帰国後の就職活動については、下記の記事をご覧ください。

ワーホリ後に就職できないは本当か【公務員・ブランク2年でも採用】

※上記は私個人の体験です。就職活動の結果は個人の経歴・時期・業界によって異なります。


ワーホリに行ってよかったと思う理由

最悪を経験した私が、ワーホリに行ってよかったと思う理由について、下記の3点をお話しします。

  • 自分はどこでも生きていける感覚
  • ブランクは致命的ではないことの証明
  • 30歳を後悔なく迎えられた事実

自分はどこでも生きていける感覚

所持金10ドルになったとき、私は絶望していました。しかし絶望から立ち直った経験が、自分の土台になっています。絶望の1か月を乗り越えてから、「どうにかならないはずがない」という感覚が生まれたのです。根拠のない自信ではなく、「底を見た人間の落ち着き」とでも言うべき感覚です。

仕事で追い詰められる場面でも、「10ドルだったときよりはマシ」と思える瞬間が何度もありました。絶望した経験がなければ、今の自分はもっと脆かったです。失敗や極限の体験は、人生でも静かに効いてきます。

ブランクは致命的ではないことの証明

帰国後の就職活動では、「2年のブランク」を何度も突かれました。しかし帰国から1か月で塾講師のアルバイトとして採用が決まり、3か月後には福祉職の正社員として収入が安定しました。塾の面接で所持金10ドルの話をしたとき、面接官の反応が変わったのを感じたのです。

「失敗からどう行動したか」を話せることが、ブランクを強みに変えました。2年間のブランクは消えません。しかしブランクの中身が語れるなら、差別化の材料になり得ます。ブランクより、何をしたかの方が大事だったのだと感じます。ワーホリから立ち直った経験については、下記の記事をご覧ください。

ワーホリ失敗から立ち直るまで【メンタルケア&帰国後ガイド】

※上記は私個人の体験です。就職活動の結果は個人の経歴や時期、業界によって異なります。

30歳を後悔なく迎えられた事実

ワーホリに行かなかった自分を想像すると、「行っておけばよかった」と思いながら30代を迎えていたでしょう。実際に行ったからこそ、30歳になったとき「後悔のない20代だった」と感じることができたのです。結果がよかったから言えることではなく、行動したという事実が持つ意味です。

所持金10ドルになろうと、ブランクを責められようと、「やりたいことをやった」という感覚は奪えません。「行って失敗した後悔」と「行かなかった後悔」を比べた表は、下記のとおりです。

後悔の種類私が感じた重さ理由
行って失敗した後悔軽い自分で選んだ結果であり、学びがある
行かなかった後悔重い「もしあのとき」という仮定が一生残る

少なくとも私にとっては、行って失敗した方がずっと軽かった。人によって違うと思いますが、迷っている人の参考になれば嬉しいです。ただし、向いている人と向いていない人がいるのも事実です。


「やめた方がいい人」と「行くべき人」の違い

実体験をもとに、向いているケースと向いていないケースを下記の2点にわけて解説します。

  • ワーホリ向きではない人のパターン
  • ワーホリに行くべき人の特徴

私がワーホリ向きではないと感じた人のパターン

うまくいかずに早期帰国した人たちに共通していたのは、下記のとおりです。

  • 海外に行って、何かが変わるのを待つ
  • 状況が改善するのを待ってしまう
  • 金銭的な準備が不足している

「環境を変えれば自分が変わる」という考えだけで行くのは危ないと感じます。環境が変わっても、自分から動かなければ何も変わりません。ワーホリは自由な分、受け身の姿勢では時間だけが過ぎていきます。

※上記は私個人が現地で感じたことです。向き不向きの最終判断はご自身で判断しましょう。

ワーホリに行くべき人の特徴

今の環境を変えたいという強い動機がある人は、ワーホリにいくのをおすすめします。仕事でも人間関係でも、ワーホリは転換点になりやすいと感じました。失敗しても立ち直れると思える人も、ワーホリに行くのをおすすめします。「最悪どうにかなる」という感覚がある人は、海外でのトラブルに直面しても動じにくいです。

私は所持金10ドルになりましたが、頭の中で次の手を考え続けていました。ワーホリの準備を始めたい人は、留学エージェントへの無料相談が最初のステップとして有効です。

留学エージェント5社比較【ワーホリで後悔しない選び方】


「やめとけ」を言う人の本音を、受け取るべきか

「やめとけ」という言葉の背景と判断について、下記の2点を解説します。

  • 「やめとけ」を言う人が見るリスクの正体
  • 最終的な判断は自分でするしかない理由

「やめとけ」を言う人が見ているリスクの正体

「やめとけ」と言う人は、あなたのことを悪く思っているわけではありません。私に「やめとけ」と言った親も先輩も、心配してくれていたのだとわかります。ただ、彼らが見ているリスクは「自分が経験していないリスク」です。ワーホリを経験したことがない人が思い描くシナリオは、「帰国後に仕事がなくなる」といったものです。

私は実際にワーホリで痛い目にあいましたが、なんとか乗り越えられました。「やめとけ」という言葉には、「自分が知らないことへの不安」が含まれています。経験者の言葉ならまだしも、未経験者が想像で語るリスクをすべて受け取る必要はありません。情報として参考にしながら、自分で判断するための材料にすれば十分です。

最終的な判断は自分でするしかない理由

「やめとけ」と言われたとき、言葉に従うかどうかは最終的に自分が決めることです。行って後悔しても、行かずに後悔しても、責任を取るのは自分です。私が公務員を辞めてワーホリに行ったのは、「行かなかった後悔」の方が自分には重いと感じました。最悪の事態が起きても、自分で選んだ道ならば納得できると思いました。

予感は正しかったと今でも思います。誰かに「行け」とも「やめとけ」とも言えません。1つ言えるのは、「やめとけ」という言葉だけを理由に迷っているなら、重く受け取らなくていいということです。本記事で書いたように、最悪のケースが起きても人生は続きます。


まとめ

「ワーホリやめとけ」と言われる理由は、英語が伸びず、お金が尽き、帰国後就職が不利になるという3つが代表的です。私は3つをすべて経験しましたが、ワーホリに行ってよかったと感じています。「やめとけ」が現実になっても、人生は続きます。所持金10ドルになっても、帰国後に「ブランク2年」と言われても、道は開けました。

大切なのは最悪が起きたときにどう動くか、覚悟があるかどうかです。本記事が、ワーホリを迷っているあなたの判断材料になれば嬉しいです。

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