日本は生きづらい?公務員からワーホリへ行った私の答え

日本は生きづらい?公務員からワーホリへ

「日本って、やっぱり生きづらいのかな」

私は地方公務員を4年間務め、帰宅が夜10時になる日もありました。土日も出勤が続き、休みの日でも気持ちが仕事から離れない状態だったのです。当時は、1人の時間を持つことさえ難しい毎日でした。「日本は生きづらい」と感じながら、理由がわからないまま毎日をやり過ごしていました。

退職後のワーホリでは、NZとオーストラリアの2か国で、ファームやジャパレスの仕事に就いたのです。NZでは半年に約7,000NZドルを貯めた一方、オーストラリアでは所持金が10AUドルまで減った時期もあります。帰国して6年以上たった今も、日本で暮らしているのです。

本記事では、日本と海外の職場を「時間・気持ち・お金」の余白で比べています。楽だったことと変わらなかったつらさを、実体験をもとに書きました。生きづらさの理由は人によって違い、あくまで私個人の体験ですが、ご自身の状況を整理する材料になれば幸いです。

※本記事は、私個人がNZ・オーストラリア・日本で経験した内容をもとにしています。国や職場、時期によって状況は変わります。ビザや制度の情報は、2026年9月時点で確認した内容です。最新の情報は、各国の公式サイトでご確認ください。


目次

「日本は生きづらい」の理由は1つではない

夜の街のスカイライン

「日本は生きづらい」と感じる理由は、人によって違います。同調圧力や働き方、将来への不安など、よく挙げられる理由はありますが、私の場合は、1人の時間がなかったことと、日本と働き方を区別できなかったことが重なっていました。生きづらさの理由について、下記の3点を解説します。

  • よく挙げられる3つの理由
  • 1人の時間がなかったきつさ
  • 日本と働き方を分けて考える

よく挙げられる3つの理由

「日本 生きづらい」で調べると、よく挙げられる理由が見つかります。生きづらさの理由は、1つに絞れないことも多くあり、同じ環境にいても、感じ方は仕事の内容や家族の状況、体調などで変わるものです。代表的な3つを、表にまとめました。

理由語られやすい内容感じやすい場面の例
同調圧力周りに合わせることが求められ、違う選択をしにくい定時に帰りにくい、休みを取りにくい
働き方労働時間が長く、休みや自分の時間を確保しにくい残業や休日出勤が続く
将来への不安収入や生活、老後のことが頭から離れない仕事を続けられるか、先が見えない

同調圧力が強くて休みを取りづらく、将来を考える余裕もない、というように、3つが重なる場合もあるはずです。表の内容は、語られやすい例の一部です。自分の生きづらさが3つのどれに近いかを、頭の中で並べてください。答えを1つに絞る必要はないのです。

1人の時間がなかったきつさ

窓辺のマグカップと観葉植物

私が生きづらさを強く感じたのは、地方公務員だった時期です。帰宅が夜10時になることもあり、きつい時期は、帰って寝たらすぐ次の仕事が始まる毎日でした。土日も出勤が続き、休みの日でも気持ちが仕事から離れない状態が続いていました。

振り返ると、きつかったのは仕事の量よりも、1人の時間を確保できなかったことです。何でもよいので、仕事と関係のない時間が、私には必要だったのだと思います。誰にも邪魔されずに過ごす時間があれば、疲れは少しずつ抜けていくはずです。

1日ごとには耐えられても、余白のない日が続くと、気持ちが少しずつ削られていきました。1人の時間は、疲れを取るだけでなく、自分の気持ちを整理する時間でもあります。時間がなくなると、「何がつらいのか」を考える余裕まで奪われるのです。

有給を1日も消化できず、定時に帰ると白い目で見られる雰囲気もありました。サービス残業が当たり前の職場で、仕事のあとも休みの日も、自分の時間を持ちにくい環境でした。公務員を辞めて海外に出るまでの当時の状況は、下記の記事に詳しく書いています。

公務員を辞めて海外に出た話【ワーホリという選択肢が私を救った】

日本と働き方を分けて考える

当時の私は、「日本が生きづらい」と感じていました。日本という国が自分に合わないのだと、思い込んでいたのです。しかし、生きづらさの原因が日本全体にあるのか、当時の働き方にあるのかは、日本の中にいるだけでは区別がつきませんでした。

サービス残業が当たり前の職場で、比べる相手は、似たような働き方をしている周囲の人が中心でした。自分だけが弱いのか、日本全体で同じなのか。判断する材料が、私の手元にはなかったのです。ワーホリを知ったのも、ネットで偶然見つけたのがきっかけでした。

知る前は、日本の外で働く選択肢を、考えたこともありませんでした。「日本が合わない」と決めつけると、選べる道は、日本を出るか、耐えるかの2つに見えやすくなります。日本の外に出て、別の国の職場で働いたことで、初めて切り分けて考えられるようになりました。

海外では、楽になった部分と、変わらなかった部分の両方があったからです。日本の外に出たことで、比べる材料が手に入りました。生きづらさの理由を説明できずにいるなら、「日本」と「今の働き方」を別のものとして考えてください。分けて眺めるだけで、見える景色が変わります。


海外の職場で「楽だ」と感じた3つのこと

木になった青いブルーベリー

海外の職場で働いて、日本とは違うと感じたことがありました。定時にきちんと帰れたこと、職場の空気がギスギスしていなかったこと、生活しながら貯金できる収入があったことです。海外の職場で楽だと感じたことについて、下記の3点を解説します。

  • 定時にきちんと帰れた
  • ギスギスしない職場で、笑顔で解散する
  • 生きていくには十分なお金が入った

定時にきちんと帰れた

先にお断りしておくと、本章で書くのは、NZのジャパレスとファームで働いた経験です。NZでは、ファームでもジャパレスでも、定時になればきちんと帰れました。ブルーベリー農園では、朝7時頃にバスが迎えに来て、夕方5時頃には帰宅できたのです。

ジャパレスは、週約40時間、週5日の勤務でした。公務員時代は、定時に帰りにくい雰囲気がありました。日本では「定時」が形だけの言葉になっていましたが、NZでは、ファームでもジャパレスでも、言葉どおりの意味を持っていたのです。

帰宅後はゲームをして過ごし、翌日に仕事がない日はワインを飲むこともありました。何をするかより、自分のために使える時間が毎日あることが、大きな違いでした。1人の時間が戻ったことで、疲れが少しずつ抜けていく感覚を、取り戻せた気がします。

働く時間が決まっているから、休む時間も守られる。当たり前のことを、私は海外で初めて体感しました。社会全体でも、休むことが前提になっているように感じた出来事があります。クリスマス当日は、ほとんどのお店がシャッターを下ろし、街が静まり返っていました。当時の様子は、下記の記事に書いています。

オーストラリア・NZの文化の違いに驚いた話【ワーホリ実体験まとめ】

ギスギスしない職場で、笑顔で解散する

海に沈む夕日

NZでは、ジャパレスでもファームでも、仕事が終わると、みんなが笑顔で解散する場面が多くありました。日本の職場との違いとして、私が印象に残っているのは、職場の雰囲気です。私が働いた職場を一言で表すなら、「働きやすく、ギスギスしていない」職場でした。

ブルーベリー農園は初めてのファーム労働でしたが、監督者が笑顔で話しかけてくれて、緊張せずに働けたのです。ジャパレスは多国籍な職場でしたが、終業の時間になると、穏やかな空気で1日を終えられました。どちらの職場も、働きやすいと感じられた場所です。

仕事は仕事、終わったら自分の時間。切り替えの早さが、職場全体で共有されていたように感じます。日本の職場では、少なくとも私の経験上、笑顔で解散する場面は多くありませんでした。小さなことのようですが、1日の終わりは、気持ちの残り方を左右します。

職場の空気が穏やかだと、仕事が終わったあとまで、気持ちを引きずらずに済みました。もちろん、NZの職場がすべて同じだと言いたいのではなく、私が見た範囲での話です。ただ、職場の空気の違いは、日本に戻ってからも、環境を見るときのものさしになっています。

生きていくには十分なお金が入った

NZでは、働いた分の収入で、生活しながら貯金もできました。毎週きちんと稼げているという安心感があり、お金の心配が小さいと、時間や気持ちにも余白が生まれます。ブルーベリー農園とジャパレスの2つの職場で、勤務時間と手取り、貯金額を並べます。

項目ブルーベリー農園ジャパレス
勤務時間週40時間(週5日×8時間)週約40時間(週5日)
週の手取り564NZドル約590NZドル
生活費を払った後の週の貯金額約314NZドル約300NZドル

ジャパレスは時給16.50NZドルで、週に約300NZドルを6か月貯金し続けた結果、総額で約7,000NZドルになりました。どちらの職場でも、毎週の生活費を払ったうえで貯金が残ります。急な出費にも慌てずに済み、次に何をするかを、落ち着いて考えられたのです。

定時に帰れて、笑顔で1日を終えられる職場に、生活できる収入が加わったことが、大きかったのだと思います。時間と気持ち、お金の3つに余白があったことが、NZで楽になれた理由です。NZでの生活は、仕事のあとも自分の時間を持てる、落ち着いたものでした。ファームでの仕事や貯金の内訳は、下記の記事に詳しく書いています。

ニュージーランドのファームは稼げる?週314ドル貯金した私の実録【NZ vs AU比較】


海外でも、生きづらさはなくならなかった

山に囲まれた湖

海外では楽になった部分がある一方で、生きづらさがなくなったわけではありませんでした。日本とは別の形で、きつさを感じる場面がありました。少数派の側に立つ経験や、国によって違ったお金のしんどさがあったためです。海外でも生きづらさがなくならなかった理由について、下記の3点を解説します。

  • アジア人として見られる側に
  • 国によって違った、お金のしんどさ
  • 日本と海外を比べて見えたこと

アジア人として見られる側に

日本にいたころ、私がアジア人というくくりで見られることは、ほとんどありませんでした。日本では、周りの多くが同じ日本人だったためです。海外に出て、初めて、自分が少数派の側に立つ経験をしたのです。メルボルンの街では、「ヘイ、ジャッキー・チェン!」と声をかけられました。

中国人と勘違いされ、からかわれているように感じました。接客中には、日本語なまりの英語で聞き返した際に、発音をからかうような言い方をされたこともあります。嫌な気持ちになった出来事として、今でも覚えています。一方で、NZの寿司レストランでは、やさしい同僚とも出会いました。

多国籍な職場で、国籍の違う人と一緒に働けたことは、今でも良い経験です。すべての人が同じ態度だったわけではなく、私が過ごした場所と時期の話です。ただ、少数派の側に立つと、小さな出来事でも、気持ちに残りやすくなると感じました。

日本では多数派でいられたため、自分の立場を意識せずに暮らせていたのだと、海外に出てから気づきました。生きづらさは、場所を変えても、形を変えて残ることがあります。日本を出れば、生きづらさがすべてなくなるわけではなかったのです。

国によって違った、お金のしんどさ

木のテーブルに置かれたコイン

NZでは、収入で生活しながら貯金もできました。一方、オーストラリアでは、同じワーキングホリデーでも、お金の状況がまるで違ったのです。オーストラリアのファームでは、週の手取りが約54AUドルの時期がありました。宿泊費と食費をまかなえず、貯金は減る一方でした。

寝る場所が、ベッドのない廊下だった時期もあります。やがて所持金が10AUドルにまで減り、食費を1日3AUドル程度に切り詰める生活になりました。メルボルンでは、求職活動を1日8時間続けましたが、所持金が減るなかでは、気持ちを保つのが難しい時期でした。

お金に余白がないと、食事の質も、寝る場所も、選べる幅が狭くなります。ワーキングホリデーの収入は、国や時期、仕事の種類によって差が出るものです。NZでうまくいった背景には、事前の準備や時期が合っていたこともあると考えています。

時間があっても、お金がなければ、気持ちの余白まで削られていきます。定時に帰れても、笑顔で解散できても、お金に余白がなければ、生きづらさは別の形で現れました。生きづらさは、時間や人間関係だけでなく、お金からも生まれると知ったのです。当時の1か月の詳しい記録は、下記の記事をご覧ください。

ブリスベン→メルボルン、仕事が見つからず所持金10ドルまで追い詰められた話【実体験】

日本と海外を比べて見えたこと

日本と海外を、働くときや暮らすときの項目ごとに並べました。海外は、主にNZでの体験です。お金の項目は、国によって結果が分かれたため、表から外しています。「楽だと感じたのは」の列は、私の実感にもとづく評価で、一般的な優劣とは別のものです。

項目日本海外(主にNZ)楽だと感じたのは
帰宅時刻公務員時代は、夜10時になる日もあった定時に帰れた海外
1人の時間あまり確保できなかった帰宅後にゲームなどの時間があった海外
職場の空気公務員時代は、定時に帰りにくい雰囲気があった笑顔で解散、ギスギスしていなかった海外
少数派になること「アジア人」として見られることは、ほとんどなかったからかわれることがあった日本
コンビニの身近さ身近にコンビニがある日本のコンビニのような店は多くなかった日本
食事美味しいと感じた日本ほどではなかった日本

並べると、日本が生きづらい国で、海外が暮らしやすい国だ、と単純には言えないことがわかりました。日本が楽な項目もあれば、海外が楽な項目もあります。どちらか一方が正解、という結果にはなりませんでした。6項目のうち、海外が楽だったのは3項目、日本が楽だったのは3項目でした。

海外が楽だったのは、主に時間と気持ちの余白です。お金の余白は、国によって結果が分かれました。日本が楽だったのは、コンビニの身近さや食事、少数派にならずに済むことでした。ただし、表は私が過ごした場所と時期の比較で、国や職場が違えば、結果も変わるはずです。


帰国後6年以上、日本で暮らしている理由

山を背景にした街並み

日本に戻って6年以上がたった今も、私は日本で暮らしています。コンビニや食事のように助けられている面があり、労働環境でのきつさや、NZで働き続けたい気持ちもあるのが実情です。帰国後6年以上、日本で暮らしている理由について、下記の3点を解説します。

  • 日本のいいところ:コンビニと食事
  • 生きづらいのは、数値目標と人間関係
  • NZで働き続けたいが、日本にいる理由

日本のいいところ:コンビニと食事

日本に戻って感じたのは、日本の便利さです。身近にコンビニがあり、必要なものがすぐ手に入ります。私が過ごした海外の街には、日本のコンビニのような店は、あまりありませんでした。コンビニのような店が身近にあると、余白を守りやすくなります。

仕事が遅くなった日でも、食事や必要な物を買える場所が近くにあることは、日本ならではの安心感です。買い物のために別の時間を取らなくて済むことも、時間の余白を守りたい私には、ありがたい点です。コンビニの身近さは、日々の小さな時間を守ってくれます。

食事も、私には日本のほうが美味しく感じられました。毎日の食事に満足できることは、気持ちの余白にもつながります。日本の外に出て、初めて当たり前ではなかったと気づいたものが、コンビニと食事でした。6年以上日本で暮らす中で、コンビニと食事の2つに助けられています。

生きづらいのは、数値目標と人間関係

木製のデスクとランプ

日本に戻って6年以上が経った今も、労働環境で生きづらさを感じます。きついと感じるのは、数値目標と、目標に伴う人間関係のギクシャクです。数値目標のある職場で働く中で、達成できたかどうかが、職場の空気や人との関係にまで影響しました。

数値目標自体を、悪いものとは思っていないのです。目標に向かう緊張感が、力になる場面もあるはずです。目標があるから頑張れる、という人も多くいます。同じ職場でも、数値との距離感は人によって違います。感じ方は、仕事の種類や職場によっても変わるものです。

ただ、私の場合は、数字を追う中で人間関係がギクシャクすると、気持ちの余白が削られました。人間関係のギクシャクは、誰か1人のせいではなく、環境の中で生まれるものだと考えています。NZで感じた「ギスギスしていない」職場とは、正反対に近い感覚です。

公務員時代のきつさは、主に「時間」でした。今は、「気持ち」の面が大きいと感じます。生きづらさの形は、環境によって変わるものです。生きづらさを感じたときは、「時間」「気持ち」「お金」のどれが削られているのかを、分けて考えるようにしています。

NZで働き続けたいが、日本にいる理由

正直に書くと、NZで働き続けたい気持ちがあります。しかし日本にいるのは、ビザとスキルが伴っていないからです。NZで過ごした時間は、今も私の基準になっています。NZ移民局の公式サイトをもとに、私の状況を整理すると、次のとおりです。

確認する条件制度の内容私の状況
ワーキングホリデービザの年齢日本国籍は18歳から30歳が対象年齢の条件を超えている
ワーキングホリデービザの取得歴過去に受け取った人は申請できないすでに使っている
別の就労ビザNZの雇用主からの求人に加え、職務経験や資格などの条件がある雇用主に選ばれるだけのスキルが、まだ伴っていない

ワーキングホリデービザは、年齢と取得歴のどちらの面でも、同じ道を使えない状況にあります。働き続けるには別の就労ビザが必要になりますが、スキルの面で条件が足りていないのが現状です。NZで働き続けたい気持ちは、帰国後も同じです。

日本にいるのは、日本が良いからだけでも、悪いからだけでもないと考えています。労働環境でのきつさはありますが、コンビニと食事に助けられている面もあります。行きたい場所に行くための条件が足りない、というのが正直な答えです。


生きづらさと折り合うための基準

白いコンパス

生きづらさとうまく付き合うために、私が大切にしている考え方があります。環境を「時間・気持ち・お金」の余白で見ること、きついと感じたら選び直すこと、海外という選択肢を知っておくことの3つです。生きづらさと折り合うための基準について、下記の3点を解説します。

  • 「時間・気持ち・お金」の余白で環境を見る
  • きついと感じたら、環境を選び直す
  • 海外という選択肢は知るだけでいい

「時間・気持ち・お金」の余白で環境を見る

生きづらさは、日本でも海外でも、環境によって形を変えました。私は、環境を「時間・気持ち・お金」の余白で見るようにしています。余白がどれだけ残っているかを見ると、環境との相性がわかりやすくなります。次の5つが、私が職場を見るときの条件です。条件は、きついと感じた経験から逆算して決めました。

余白条件見る理由(私の体験)
時間定時に帰れる公務員時代は、夜10時に帰宅する日もあった。NZでは定時に帰れた
時間1人の時間が取れる確保できずにきつかった時期と、定時後にゲームなどができた時期がある
気持ち職場の空気がギスギスしていないNZは笑顔で解散。今は人間関係のギクシャクがきつい
気持ち数値目標のプレッシャーが強すぎない今、いちばんきついと感じている
お金生活できる収入があるNZは貯金できたが、AUは週の手取りが約54AUドルの時期があった

5つすべてがそろう職場は、多くないと思います。私自身も、すべてを満たしているわけではないのが現状です。「絶対に削れない」条件を1つか2つ決めておくと、環境を選ぶ軸になります。見る項目は、人によって変わるはずです。ご自身の場合は、何が削られたときにいちばんきついかを、思い出してください。

きついと感じたら、環境を選び直す

ピンが立てられた世界地図

私の考えは、「きついと感じたら、見切りをつけて、環境を選び直す」ことです。我慢し続けることが、いつも正解とは限らないと、実感してきました。見切りをつけるといっても、すぐに辞めるという意味ではないのです。見切りをつけるとは、今の環境で変えられる余地と、自分の限界を見比べることです。

上司への相談や働き方の調整をしても変わらないとき、環境の変更を考えます。私は、順番を大切にしています。きついと感じる部分があっても、ほかの余白が保たれているなら、続ける選択もあるのです。1つの条件だけで決めず、全体のバランスで考えるようにしています。

見切りをつけたあとも、生きづらさが形を変えて残ることはあります。私自身、環境を変えるたびに、生きづらさの形が変わってきました。完璧な環境を探し続ける必要はないと考えています。ただし、転職や退職が向いているかどうかは、収入や家族、健康など、個人の状況によって変わります。

決める前に、収入や生活費、次の仕事の見通しを確認しておくと安心です。心身のつらさが強いときは、医療機関や自治体の相談窓口に話すことも、選択肢になります。辞めるか迷ったときの考え方については、地方公務員の立場で書いた下記の記事をご覧ください。

地方公務員がきついと感じたら【4年間続けた私が伝えたいこと】

海外という選択肢は知るだけでいい

環境を選び直す方法の1つに、海外で働くという選択肢があります。私はワーホリで、海外で働く経験をしました。ワーホリという選択肢を知ったことで気持ちが救われた、というのが、私の実感です。ただ、海外に行けば生きづらさが消えるとは限らないのです。

定時に帰れて、笑顔で解散する職場に出会えた一方で、少数派になる経験や、お金のしんどさもありました。選択肢が1つしかないと、人は追い詰められやすくなると、私は感じています。行くかどうかを、今すぐ決める必要はないのです。知ったうえで、ゆっくり考えれば十分です。

海外という道もある、と知っておくだけで、気持ちが少し楽になります。知っているだけで選べる道が増えるのだと、身をもって知りました。行かないと決めても、知ったことは無駄にならないのです。情報を集めるだけでも、今の環境を見る目が変わることがあります。

海外に興味が出たときは、まず年齢条件を公式サイトで確認するのが近道です。NZのワーキングホリデービザは、日本国籍の場合、18歳から30歳が対象です。年齢を超えると、同じ道は使えなくなります。公務員が、退職せずに行けるのかを知りたい場合は、下記の記事をご覧ください。

公務員はワーホリのために休職できる?【退職1択だと思っていた私の結論】


まとめ|日本は生きづらい? 私の答え

穏やかな海と海岸

今も日本に生きづらさを感じる、というのが私の答えです。生きづらさを感じるのは、数値目標と、目標に伴う人間関係のギクシャクです。一方で、コンビニの便利さや食事など、日本にいてよかったと思う点もあります。いずれも、日本で6年以上暮らしてきた実感です。

海外では、定時に帰れて、笑顔で解散する職場に出会えました。しかし、少数派になる経験や、国によって違うお金のしんどさもありました。NZで働き続けたい気持ちがありますが、ビザとスキルが伴わず、今は日本で暮らしています。日本と海外のいずれにも、楽な面ときつい面がありました。

私は、「日本が良い」「日本が悪い」と結論づけないようにしています。今の私のやり方は、時間や気持ち、お金の余白を見ながら、環境を選び直していくことです。もし今、あなたが「日本は生きづらい」と感じているなら、理由は日本全体ではなく、今の環境にある場合もあります。

まずは、時間・気持ち・お金のうち、自分がいちばん削られている余白は何か、書き出してください。生きづらさの正体が見えると、環境を選び直すことも考えやすくなります。海外を検討している人は、下記の記事もあわせてご覧ください。

ワーホリはやめとけは本当か【所持金10ドルになった私が正直に答える】

オーストラリアとNZ、ワーホリはどっちが得か【実体験比較】

※ビザや制度の情報は、2026年9月時点で確認した内容です。最新情報は、各国の公式サイトでご確認ください。


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